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08洞爺湖サミット・カギ握る日本

北海道洞爺湖サミットに寄せて「北の国からのエッセイ(10)」 (2008.04.22)
 北海道洞爺湖サミットまで80日 

札幌市内を吹き抜ける風はもう北風ではなくなりました。 4月も半ばになって本格的な春が感じられます。 町の中心部にある大通公園ではキタコブシが咲きました。 例年より1週間ほど早いです。 天に向かって白い花びらを精一杯広げています。 開放的な花です。 キタコブシの花と対面すると、季節の変わり目を実感します。

< 花壇異変 >
大通公園では春の装いも急ピッチです。

この10日間ほどで樹木の冬囲いが取り外され、冬の間取り外されていたベンチが取り付けられています。そして17日からは下旬の観光シーズン幕開けに向けて、花壇作りも始まりました。


寒さに強いパンジーやディージーが造園会社の作業員によって手際よく植えられていきます。 しばらく見てると、今年の花壇の作り方が変わっているのにきづきました。下の写真をご覧ください。左の写真は去年の春の花壇作りです。そして右は18日にできたばかりの花壇です。何処かが違いません?



実は今年の花壇には縁取りがありません。去年までは石やレンガで縁取りがされていました。「何故だろう」造園業者に尋ねると思わぬ返事が返ってきました。サミット対策で縁取りはしないように札幌市からいわれているそうです。

こんなところにもサミットの余波がきているのかとおもいました。ちょっと過剰防衛気味な感じがしないわけではありません。大通公園には49の花壇に、合わせて3万6000株のパンジーとディージーが植えられます。

< サミット特需 >
散策場所のひとつになっている知事公館でも、早くも警備が強化され警察官の巡回が目立ちます。一般の人でも自由に散策できる公館は隠れたウメの名所で、お馴染みの観賞ポイントのひとつです。

まもなくウメは開花しますが、今年はなんとなく敷居が高そうです。ウメのつぼみは一段と赤く膨らんできました。(18日撮影)

警備といえば1万人を超す警察官と消防署員が全国から動員されます。彼らに昼間出される弁当の試食会が先日あり、その模様がテレビで紹介されていました。

アスパラやジャガイモからエビやホタテなど北海道の食材がふんだんに使われており、JR駅などで売っている幕の内弁当とは格が違う弁当です。テレビ画面をみながら私も食べてみたいと思いました。

地元の食材を意識して使っているようで、中国製のギョウザは全くお呼びではないようです。これは大変な特需だなと思いました。

その一方で、地元洞爺湖町では政局の余波を受けました。

道路暫定税率が3月末で失効となり、予定していたサミット会場に通じる町道の整備予算が、配分されなくなりました。道路にはひびが入り、窪みもあります。これは大変だと、財政難で財布が堅い道庁がお金を出すことで当面凌ぐことになりました。

去年4月に訪れた洞爺湖畔から見えるサミット会場のザ・ウインザーホテル洞爺の山肌には、まだ雪がありましたが、ことしはもうないそうです。(7年4月28日)
< インフラの行方 >
こうしてサミット準備は着々と進められているようですが、サミットのために作られたインフラは、サミット終了後どうなるのでしょうか。新千歳空港に9000万円かけて作られた貴賓室は、サミット終了後、壊されるそうです。

全世界から訪れるメディアのために、留寿都リゾートに28億円をかけて建設中の国際メディアセンターも、終了後取り壊されるそうです。わずか数日のために莫大な費用で作られたものが取り壊されるとはもったいない。何か地元で有効利用できないものかと思います。

もっとも取り壊される鉄骨をすぐ再利用するため、建設にあたっては溶接を最小限にしてボルト接続にしていると聞いて、手回しのよさにびっくりです。このほか数千人が訪れるメディアなどの関係者のために、携帯電話の基地局が100箇所新たに作られました。

そしてインフラの真打はこれです。映像・情報の高速送受信のために90億円もかけて洞爺湖周辺に構築された光ファイバーシステムです。サミット終了後これらはどうなるのでしょう。ある程度のお客さんがいなければすべて撤去するそうです。ため息が出ます。

地元の商工会では、せっかく作った光ファイバーシステムをそのまま残したいと、需要者の掘り起こしをしているそうですが、反応は鈍いようです。光ファイバ ーを住民全戸に網羅して行政などと結び、福祉や農業、観光などに活用できないか。そのための特区申請をして温泉田園マルチメディア構想でもできないものだろうかとおもいます。現に日本のいくつかの地域でそうしたIT技術を活用した地域づくりをしているところがあります。

折角整備された光ファイバーシステムを取り払うなんて、ああもったいない。それはないよという気持ちです。

ここは地元自治体で知恵を出し合って、存続の方向で模索してもらいたいものだと思います。サミット去って何も残らないのはサミッチイ・・・

18日札幌市役所をのぞくと、一階フロアにはサミットまであと80日というカウントダウンの看板がありました。

(寄稿=望田 武司)

望田 武司(もちだ・たけし)1943年生まれ 新潟県出身
1968年NHK入局 社会部記者、各ニュース番組デスク・編責担当
2003年退職し札幌市在住、現在札幌市の観光ボランティアをしながら自然観察に親しむ。



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