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08洞爺湖サミット・カギ握る日本

北海道洞爺湖サミットに寄せて「北の国からのエッセイ(23)」 (2008.06.26)
 スウェーデンの風 

21日は夏至でした。一年で一番昼の時間の長い日です。夏至のときに、日本ではタコを食べる風習があると聞いたことがあります。しかし町をあげて祝うということは、あまり聞いたことがありませんでした。

夏至祭はやはりヨーロッパの行事であり、その本場はスウェーデンのようです。ところが、日本でも唯一、夏至祭を行うところがあるということを知り、先日、夏至祭が行われた会場にでかけてきました。
< 日本の夏至祭 >

場所は札幌のとなり町、石狩当別町です。なぜ、ここで夏至祭が行われているのでしょう。しかも今年で、もう25回目だと聞かされ、びっくりです。実はこの夏、スウェーデンの中部の小都市レクサンドでイベントがあり、私はそのイベントに参加の予定でした。

聞いたことがないレクサンドってどんな町だろう・・・イベントの主催者のホームページを開けて見ているうち、レクサンドは日本に姉妹都市の提携をしている町があること、それは北海道の石狩当別町であることが記述されていました。飛び上がらんばかりに驚きました。なんで当別とレクサンドが姉妹都市なの?

< 姉妹都市 >

石狩当別は戊辰戦争で破れて、明治新政府の冷たい仕打ちにあった伊達岩出山藩主・伊達邦直公が、原始林で覆われた石狩川上流に入植したことから始まります。

暴れ川の石狩川を相手にした武家の開拓の苦闘は、ベストセラーになった小説「石狩川」に詳述されています。

あれから140年、いまでは豊かな農村として、また、大都市札幌の衛星都市として、地味ながらも発展している人口2万人ちょっとの町です。(写真:石狩当別の田園風景、先月)

これに対しレクサンドは、湖畔に面した人口1万人ちょっとの静かな落ち着いた町のようです。どうみても共通点が見出せない二つの町を結びつけたのは、著名な外交官が「冷涼な大地と気候がよく似ている」といった一言で、これが縁結びの神となりました。

< 本場を上回る夏至祭 >

当別町の一角にスウェーデンヒルズがあります。夏至祭に参加してヒルズ一帯を歩いてきました。笹やぶと落葉樹で覆われていた原生林であったことが、容易に推測されます。

姉妹都市提携後、ヒルズにはスウェーデンハウスが立ち並んで分譲され、レクサンドのガラス工芸などの工房などもありました。住宅の庭に緑があるというのでなく、森の中に住宅があるといった、いかにも北欧らしい街づくりです。

そのヒルズの一角にあるスウェーデン公園で、夏至祭が日曜日行われました。本場で食べる夏至祭の料理やケーキをはじめ、地元の農場の肉製品や野菜などを販売するテントが張られ、大変な賑わいです。

祭りのクライマックスは、高さ10mもあるマイストングの立ち上げです。レクサンドの民族衣装のリーダーの「へ~い」という掛け声に、取り囲んだ行楽客が「やー」と応じます。

一体感をかもし出しながらのイベントです。15分後、ようやくマイスタンドは立ち上がり、祭りの核ができました。このあと地元の人から行楽客まで、円になってフォークダンスです。

民族衣装の地元弦楽団が奏でる音楽に合わせて、子供からお年寄りまでが楽しみました。


夏至の到来で、太陽と自然の恵みに感謝する素朴なお祭りに、スウェーデンの匂いを感じました。会場を吹き抜けるさわやかな風は、レクサンドの風のように思えました。

帰路 列車の中で、東京から夏至祭に参加したスウェーデン大使館の駐日参事官と、偶然一緒になりました。

流暢な日本語で参事官曰く、「本場の夏至祭より、当別の夏至祭のほうが盛大でした」

夏至の日の札幌の昼間の時間は、15時間32分でした。東京は14時間34分、沖縄は13時間48分だということです。日本列島がいかに南北に長いか思い知らされます。

札幌に戻ると大通公園では花フェスタが開かれていました。家族連れなど大勢の市民が芝生の上でくつろぎ、柔らかな太陽の光を浴びていました。なかにはベンチに寝そべって夢心地の人もいます。

緯度が高い地域の人ほど日光を大切にしているのが、とてもよくわかる光景でした。梅雨のない北海道、今が一番さわやかな時期です。

(寄稿=望田武司)

望田武司(もちだ・たけし)1943年生まれ 新潟県出身
1968年NHK入局 社会部記者、各ニュース番組デスク・編責担当
2003年退職し札幌市在住、現在札幌市の観光ボランティアをしながら自然観察に親しむ。



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