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Home > 政治 > 08洞爺湖サミット・カギ握る日本 > 北の国からのエッセイ

08洞爺湖サミット・カギ握る日本

北海道洞爺湖サミットに寄せて「北の国からのエッセイ(3)」 (2008.02.12)
さっぽろ雪まつり

大寒を過ぎたとはいえ、厳しい寒さが続いている。今年の札幌は日中の最高気温がプラスにならない真冬日が多いようだ。最も寒さの厳しいこの時期を乗り切ろうと、北海道各地では冬祭りが真っ盛りだ。 世界的な冬の祭りとなった「さっぽろ雪まつり」も今年も賑々しく開かれ、好天に恵まれて大勢の観光客で賑わっている。市内3つの祭り会場うち、メイン会場の大通公園会場をのぞいてきた。
< 洞爺湖サミット >
今年の祭りのキーワードは何と言っても環境問題である。環境がメインテーマの北海道洞爺湖サミットが7月に開かれるとあって、地球環境と野生動物保護をアピールする雪像・氷像が目立つ。

写真は未来ある子どもたちと、北海道を代表する動物たちが「地球を守りたい」というメッセージを発信した大雪像である。

背後にサミットに参加する主要国のシンボル的な建物が建てられている。高さ15m、幅25mの大雪像には、大型トラック810台分の雪が郊外から運ばれ、陸上自衛隊特科部隊延べ2133人が25日かけて制作した。

ことし一番の出色の大雪像だ。
< 聳える天守閣 >
大雪像に似合うのは何と言ってもお城である。 去年は彦根城、その前は名古屋城が作られたが、ことしは国宝犬山城が登場した。

戦国時代木曽川南岸に造られた三重四階建て犬山城は、日本最古の木造だが、こちらのお城はリニューアルした最新雪像だ。

一つ一つの石垣から城の瓦・窓の格子まで、犬山城管理事務所から図面を取り寄せて作ったそうで精巧そのもの、観光客からため息と歓声があがり、外人観光客からはワンダフル、スプレンデッド。
< 恋の町 札幌 >
こちらは氷像である。
明治時代の旧国鉄札幌駅で、現在北海道開拓記念館に保存されている駅舎の大氷像だ。

明治40年、一人の青年が札幌駅を降りた。

「道幅の莫迦(ばか)に広い停車場通りの両側のアカシヤの並木は蕭条(しょうじょう)たる秋の雨に遠く遠く煙っている。其の下を往来する人の歩みはみな静かだ。男も女もしめやかな恋を抱いて歩いているように見える」

♪ 恋の町さっぽろ♪ の先鞭をつけた石川啄木が、この氷像の札幌駅をみたら何と言っただろうと思うと楽しくなる。札幌のホテルのシェフが包丁からノミに持ち替えて作った幻想的な氷の歴史的建造物・札幌駅である。
< 市民雪像 >

会場の雪像は大雪像ばかりではない。
むしろ職場や学校のサークル、市民のグループが作った小型雪像が圧倒的に多い。

写真左: つかめ(亀)!希望。 北海道を盛り上げないと(内藤)!!  
注:内藤選手は北海道出身


写真右: 寅さん的解釈?「サー・ミット」だよ。 札チョン共和国 単身赴任のシンボル 男はつらいな
雪像とともにユーモアのあるパンチのきいたコメントが、立て札に書き込まれている。
< 楽しむ雪まつり >

今年は大通り会場にスケートリンクがお目見えした。
去年のスノーボード斜面に続いてのウインタースポーツの登場である。スノーボードは選手が模範演技を披露しているが、スケートリンクは道具を借りることができて誰でも滑ることができる。

初めて滑る氷の上で大人も子どももスッテンコロリン、人出の多い週末はリンクに入るまでに3時間待ちの大盛況となった。

このように大通り会場には雪像だけでなく、雪と氷に触れることのできる会場から、氷点下の中で暖かい「かに汁」や「三平汁」を食べられる北海道の食の広場までお目見えしている。

会場の雰囲気もずいぶん変わり、雪像しかなかった5年、10年前の雪まつりしか知らない人はびっくりすることだろう。雑誌の表紙のようだと一部で酷評された「見る祭り」から、「楽しむ祭り」への変身は大変結構なことだと思う。

なにしろ最近急速に増えている東南アジアの観光客にとって雪を見るのが初めてで、雪に触れるだけで感激している。雪や寒さは立派な観光資源となっている。

いずれは溶けては消える設備投資ゼロの雪を素材とした祭りに、内外から200万人の人が訪れ、200億円以上の経済効果をもたらすと思うと、人間の知恵と工夫の大切さも思い知らされる。

私は毎年、雪まつりに観光ボランティアとして、観光客の求めに応じて案内とシャッターマンをしてきたが、今年は体調を崩してボランティアは遠慮し、一市民として楽しむことができた。

そのさっぽろ雪まつりも本日11日が最終日である。
(写真:滑り止めに撒かれた砂)


望田 武司(もちだ・たけし)1943年生まれ 新潟県出身
1968年NHK入局 社会部記者、各ニュース番組デスク・編責担当
2003年退職し札幌市在住、現在札幌市の観光ボランティアをしながら自然観察に親しむ。



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