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北海道洞爺湖サミットに寄せて「北の国からのエッセイ(9)」 (2008.04.11)
胎 動
| このところ札幌は急激に暖かくなっています。
日中の最高気温は15度を超え、一日の平均気温も10度を超えるようになりました。つい1ヶ月前は氷点下の日もあったのに様変わりです。
3月から4月にかけての気温の上昇度合いは、東京や鹿児島より札幌のほうが大きいそうです。 札幌ではこの時期、季節の移り変わりを強く感じます。この季節の変化に植物は敏感に反応し始めました。 冬の間じっと眠っていた植物はおもむろに動き出して、それぞれの個性を持ちながら芽吹きをはじめました。 9日、都心の大通公園から道庁前庭、知事公館と歩いてきました。 |
東京地方のサクラはすでに葉桜になってるのでしょうか。 1ヶ月以上遅い札幌のサクラの開花は、例年大型連休後半頃ですが、今年は今月下旬に開花し、連休中はちょうど満開になりそうです。 もし連休前に開花しますと6年ぶりだそうです。 本州の方が連休期間中に札幌を訪れますと、花見が2度できることになりますね。 |
ウメはもともと暖かい地域の植物で、北限は秋田付近といわれています。北国では挿し木などして育てており、いまでは立派な梅園もできるほどになっています。 ウメは2月でサクラは3月・・・ 札幌では花札の季節が通用しないのが面白いところです。 サクラが先に咲くこともあります。ことしはどちらが先でしょうか。楽しみです。 |
少し歩くと、早くも白い花を出し始めた木に出会いました。
わずか1個だけ咲いていました。(公館) キタコブシです。 |
どちらも白い花が咲くモクレン科の木ですが、キタコブシは若い娘が飛び跳ねるようにぱっと開くのに対し、モクレンはそそと上向きに咲いて全開しない奥ゆかしさがあります。 キタコブシは健康的な乙女であるのに対し、モクレンはお色気のある人妻でしょうか。 こちらのハクモクレンももうはちきれそうです。 (道警本部横の街路樹) まもなくその全容をみせてくれることでしょう。 これまた楽しみの樹です。 それにしても今年は開花が早いです。 このまま行きますとあと数日で開花するでしょう。 |
小枝が二股に分かれて(対生)すくすく伸びて小さな赤い花を一杯つけている木に出会いました。
カツラです。(道庁前庭)
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ハルニレといえば堂々とした大木で、花というイメージはありません。 20m以上になる高木のハルニレは、枝先に行けば行くほど毛髪のように細い繊細な枝になるのが特徴です。 その枝先にこの時期花を一杯つけます。 やや赤みを帯びますが全体的に地味な花で、高いところにあるため目立ちません。 私もこんなに近くで観察出来たのは初めてです。 いつも背伸びして不安定な状態で撮るため、ボケている写真しかとれませんでしたが、今回とても鮮明に撮影できました。 |
ナナカマドの葉芽が大きくなって上に向かってまもなく開きそうです。
このように気温の上昇とともに木々は活動をはじめましたが、周囲の動きにわれ関せずとばかり、相変わらず冬芽のまま眠っている木もあります。(写真上右) ヤマグワです。 子どものころ野山を駆け回って、口の周りが紫色になるほどクワの実を食べた人も多いでしょう。 田舎育ちの私もそうでした。 ある植物学者と一緒に自然観察に出かけたとき、まだ眠っているヤマグワをみて「先生、ヤマグワは怠け者ですねえ」といったら 大家曰く「温度が高くなってもまた寒さがぶり返してくるかもしれないと思っているんだよ。本当にもう大丈夫だなと体で感じた時におもむろに動き出すんだ。怠け者というよりは慎重な木なんだよ」 植物生理は人間生理より深みがあって面白いと思ったものです。以降、春先にヤマグワを見かけたら余り立派とはいえない冬芽の動きをじっと見ています。ヤマグワは芽出しのもっとも遅い木です。この木が動き出したらもう初夏の入り口かもしれません。 |
冬囲いがまだ取れてないのに緑の葉を出している木に出会いました。エゾニワトコです。 |
(寄稿=望田 武司)
望田 武司(もちだ・たけし)1943年生まれ 新潟県出身
1968年NHK入局 社会部記者、各ニュース番組デスク・編責担当
2003年退職し札幌市在住、現在札幌市の観光ボランティアをしながら自然観察に親しむ。
























