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08洞爺湖サミット・カギ握る日本

安い労力提供から人材立国」「成長と環境の両立」
―転換を急ぐ中国・山東省経済

中国・山東省は黄海に突き出した半島で、中国で経済力第2の省として、また、孔子、孟子の生誕の地であることから、「儒教の故郷」としても有名である。歴史的に日本とも関係が深い。9月中旬、同省を、主として経済と環境の現状視察のため訪れた。調査結果を簡単に報告する。

中国全体と同様に、山東省は高度成長を続けている。最近16年間、2ケタ成長を達成し、昨年は17%近い成長を果した。しかし、同省経済も環境問題の大きな壁に直面している。このため、産業面で構造改革を図るとともに、かなり思い切った環境対策に取り組み始めている。

産業構造改革のポイントは、
①重化学工業の比重を下げ、軽工業中心への転換を図る
②外資導入にあたって、公害型、エネルギー多消費型の業種や企業は避ける
③人材を育成し、安い労働力をではなく、人材と知能を企業に提供するようにして、「人材立国」の道を歩む、の3点である。

外資企業の選別を厳しくすれば、外資導入額が減り、経済成長にブレーキがかかる恐れがあるが、そのマイナスはある程度、覚悟しているようである。だが、省政府や省内の主要市政府が狙っているのは、優れた環境技術を持っている大手、中堅企業の誘致である。この戦略が成功すれば、成長と環境改善、両方の果実を得ることができるというわけだ。

「人材立国」政策で、いま、著しく浮上しているのがアウトソーシング産業である。この場合、アウトソーシング(中国語では「外包」)産業とは、インド・バンガロールなどのIT企業が米国の多数の企業から各種データ入力やソフトウェア改修を請け負ったことに代表されるように、外国企業から広範な業務を請け負い、代行することを指す。中国では、既に、大連のアウトソーシング産業の対日進出が目覚しい。

山東省の省都、済南市にある済魯ソフトウェアパークは国家指定のパークであるが、同時に、十数か所ある国家指定アウトソーシング産業基地の一つでもある。ここでは、日本から進出したNECソフトを含む約30社が操業している。市当局はパークに補助金を与え、パークは参加企業にさまざまな支援を提供している。

また、市内の大部分の大学は日本語を教えているが、ソフトウェアパークは大学に教育上の便宜を与えている。山東省と済南市の当局はアウトソーシング産業を、近い将来、輸出産業の柱の一本に育成しようともくろんでいる。


脱硫装置を設置できない発電所は閉鎖する

10月に開かれる第17回共産党大会で、胡錦濤・執行部は「科学的発展観」を党規約に明記し、その中で、環境や省エネに配慮した持続的発展を強調する。この方針は、既に党中央から地方の党と行政の組織に具体的に示されている。

山東省の才利民・副省長ら幹部によると、共産党中央は地方幹部の評価基準を、経済成長中心から環境改善の成果を交えたものに変え、5年毎の厳しいチェックで、成果が上がっていない場合は、地方幹部と関係部局責任者の責任を問う方針を指示している。

このため、同省環境保護局は、発電所や工場に対してかなり厳しい環境基準を課し、これを守れないものは閉鎖処置も辞さないとしている。とりわけ、発電所に対しては、大部分が石炭を熱源としていることを考慮して、脱硫装置を設置できない小規模発電所は閉鎖することを決めている。また、環境改善の観点から、原子力発電所の建設プロジェクト(6基)も検討されている。

最後に、山東省の経済と環境に関して、注目すべき点を記しておく。
● 済南、青島、威海、煙台の4市を視察したが、どの都市も工場と自動車の排気ガスで、大気は東京より汚染されていた。光化学スモッグが発生していた都市もある。(一般市民には公表せず)
● 湧水の多い済南市の河川と山東半島沿岸の海はきれいで、魚も多い
● 4都市ともマンション建設ブームで非情に多くのクレーンが林立している。マンション(中国語では「公寓」)の売れ行きはいいが、半数は投資用といわれる

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