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洞爺湖への道 -地球温暖化防止
認識は前進したが、具体策は先送り
七夕の日から3日間、北海道・洞爺湖畔で開催されたG8サミットは、議長総括における福田康夫首相の自画自賛で終わった。常識的にみれば、全体の成果は、せいぜい50点。焦点だった地球温暖化防止対策の成果は65点で、すれすれ合格点である。
高得点を与えるわけにいかないのは、温暖化防止の必要性についての認識では前進したものの、首脳宣言に目標数字はいっさい入らず、具体的な行動策はすべて先送りされたからである。
福田首相が強いリーダーシップを発揮できず、結果として、大きな成果を上げられなかった原因は明確である。中国、インドなど新興国が先進8カ国に要求した、中期目標として温暖化ガスの大幅削減を打ち出すことに、先進国側が応じられなかったことにある。
今年の年明け以降、日本政府が行った事前交渉の段階で、中国、インド、ブラジルなど新興国側は、長期目標の設定にかなり柔軟な姿勢を見せ始めていた。しかし、「地球温暖化の責任は、歴史的に見て、先進国がより多く負うべきだ。
したがって、温暖化ガスの削減にあたっては、先進国が指導力を発揮すべきである」という点は、絶対に譲れないという態度を鮮明にしていた。
今回の16カ国協議(MEM)でも、新興5カ国は事前に、「先進国は、排出量を2020年までに1990年比で25~40%、50年までに80~95%削減すべきだ」という共同声明を発表していた。
ところが、サミット2日目のG8首脳宣言では、「(先進国は)野心的な中期の国別総量目標を実施する」とするだけで、具体的な中期目標を示せなかったばかりか、長期目標でも、「50年までに世界全体の排出量の少なくとも50%の削減を達成する目標をUNFCCC(気候変動に関する国連枠組み条約)の締結国と共有し、交渉において検討し、採決することを求める」というような、極めてあいまいな合意しか表明できなかった。
これでは、16カ国会議で新興国側から、条件付きであっても将来の総量規制を示唆する発言はもちろん、省エネ率の大幅引き上げなどの譲歩を引き出すことは不可能であった。
G8が「中期の国別総量目標の実施」以外、前向きの合意ができなかったのは米国が反対したためである。福田首相も、米国を「京都議定書後」のプロセスに取り込むためには、ブッシュ大統領が許容する「あいまい合意」しかやりようがなかったのだろうが、国内的に見ると、米国の反対を奇貨として、中期の国別数値目標に強く反対する産業界の「虎の尾」を踏まずに済んだという側面があるのも事実である。
洞爺湖サミットの地球温暖化対策への最大の貢献は、CO2排出量の80%を占める16カ国の首脳が一堂に会して、温暖化問題を真剣に討議したことである。これによって、首脳たちの、早期の対策の必要性に関する認識が前進したのは確実である。しかし、各国の利害の絡む具体策の交渉は、ほとんどすべて、これから始まる。
(早房長治) |
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