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08洞爺湖サミット・カギ握る日本

 洞爺湖への道 -最終回 
「21世紀型サミット」に衣替えの時

洞爺湖サミットには、地球温暖化対策以外にも、多くのテーマがあった。世界経済が昨年のドイツ・ハイリゲンダム・サミット当時とは比べものにならないほど、多くの問題を抱えているからである。G8が取り上げた主要経済テーマは、金融安定化策、石油高騰対策、食料高騰対策などである。これらに対しても、G8は持てる力の限界を露呈した。

首脳宣言は、米国のサブプライムローン(非富裕者向け住宅ローン)問題をきっかけとする金融危機と、その結果として発生した世界経済に対するインフレ圧力が存続をしていることを認めた。しかし、それへの有効な対策はほとんど何も示していない。

石油高騰に対しては、中長期策として、生産国での投資と生産の拡大、消費国における省エネのいっそうの徹底などを提起している。これらはそれなりに意味があるが、現在の石油価格を正常化する即効的な対策はまったく示すことができなかった。

多少とも具体的な対策を打ち出すことに成功したのは食料高騰に関してである。サミット直前にロシアとウクライナが輸出規制を廃止したことに力を得て、世界的な輸出規制の緩和と備蓄増加のためのシステムづくりを提案した。また、先進国が開発途上国の食糧生産の生産性を向上するために資金・技術支援を強化することでも合意した。だが、これらの対策でアフリカなどの食糧危機がどこまで解消できるか定かでない。

上に述べたように、今日の世界経済の混乱の大きなきっかけは米国でのサブプライムローンの破綻である。それが世界規模での金融不安定化、石油をはじめとする資源価格の高騰、食料高騰へと次々に波及したのは、ドル・インフレに加えて、金融商品に対する規制が緩すぎたからである。

ドル・インフレを収束させるには、年間5000億ドルを超える米国の経常赤字を急減する必要があるが、それは米国経済の繁栄の方程式を否定することになりかねない。また、金融商品への厳しい規制は世界金融界におけるウォール・ストリートの優位を根底から覆す可能性が強い。したがって、米国の官民は、こうした「外科手術」を否定し続けてきた。

洞爺湖サミットが終わった現在、明確なことは、これまでのようなG8サミットを今後、何回繰り返しても肥大化する世界経済社会の患部を除去することはできないという点である。中国やインドのような新興国が参加しなければ、地球温暖化をはじめとする重要問題を解決しようがない。また、弱体化した米国のリーダーシップに代わる「装置」を構築しなければ、G8の機能は低下するばかりであろう。「21世紀型サミットへの衣替え」が不可欠だが、各国の利害が絡むだけに、容易なことではない。
(早房長治)

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