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洞爺湖への道 -欧州の視点から 3
「原子力ルネッサンス」欧州にも?
「原子力ルネッサンス」は米国でつくられた造語である。直訳すれば「原子力の復活」。ブッシュ政権が原発建設にゴー・サインを出したのをきっかけに30基もの建設申請が続出した状況を指している。
米国と同様な現象がEU内でも起きるかどうか、今のところ、もう一つ、明確ではない。しかし、その兆しは濃厚にある。
前号で述べたように、英国政府は今年1月、発表した原子力白書で、原発建設再開の政策を公式に明らかにした。
今日、英国のエネルギー業界では、自動車、電器業界など、多くの業界と同様、「ウィンブルドン現象」が起きており、大手は外国勢が占めている。したがって、フランスのEDF、ドイツのE-ON、WRE、バッテンフォール、スペインのエンデサなどが、いち早く原発建設に名乗りを上げた.。
国別でみると、原発建設に積極的に動いているのは、北欧のフィンランドと、旧東欧のポーランド、チェコ、クロアチアなどである。いずれも、上記の欧州エネルギー大手やフランスやドイツのハイテク・コンサルティング会社の技術を利用しようというものだが、エネルギーの自立を目指すだけでなく、電力輸出までもくろんでいる国もある。
近い将来、旧・ソ連を含む旧・東欧諸国に原発建設ラッシュが起きることも考えられる。フランスは、原発59基を持つ「原発大国」だが、サルコジ大統領も原発政策には前向きである。新立地は避けるが、既存の原発を増設する形で、新型のEPRの建設を続行する。
複雑な問題を抱えているのは、原発建設を凍結し、既存の原発も2021年までに運転中止を決めているドイツと、1986年に発生したチェルノブイリ事故以来、すべての原発の操業をストップしているイタリアである。
ドイツでは、「2009年秋の総選挙でキリスト教民主同盟(CDU)の単独政権ができれば、原発建設再開の可能性がある」という推測が流されており、イタリアでは、中道右派のベルルスコーニ政権がどんな原発政策を採用するか、国内外の注目を集めている。
原発廃止を掲げているスウェーデンも、環境問題との絡みで、政策転換の可能性がささやかれ始めている。原発政策が洞爺湖サミットの議題になることはないが、「影のテーマ」であることは間違いない。
(早房長治) |
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