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08洞爺湖サミット・カギ握る日本

 洞爺湖への道 -欧州の視点から 4 
原発の安全に厚い信頼


日本に比べて、EUでは、国民や住民の原発の安全性に対する信頼度が極めて高い。

島国の日本と違って、多くの国が大陸にあることもあり、相当数の原発が都市の近くや新幹線沿線にあるが、不安の声はあまり聞かれない。

原発が59基(米国に次いで世界2位)もあり、原子力が総電力の80%を占めるフランスでは、サルコジ大統領が、昨年夏に就任後、原発建設推進の方針を打ち出したが、反対の動きはほとんど起きなかった。

信頼度が高い理由は3つあると思われる。第1は、広島、長崎のような原爆被害に遭った経験がないこと。第2は、政府が電力会社寄りでなく、安全性を厳しくチェックしてきたこと。第3は、電力会社が、長い歴史の中で、国民や原発周辺の住民に対して常に情報の透明性を保ち、誠実な態度で説得に努めてきたことである。

敢えて付け加えれば、第4は、エネルギーの安全保障に対する国民の意識が、日本より高いことであろう。フランスで原子力発電を独占しているフランス電力会社(EDF)のブルーノ・レスコア副社長が興味ある発言をしている。

「外国人は、フランス人の80%が原子力エネルギーに賛成しているように思っているが、誤りだ。実際は、50%強が賛成しているに過ぎない。われわれは政治から支持を得ているが、それは国レベルだけで、地方政治家は必ずしも原発を支持していない。西欧の電力会社は情報を徹底的に公開してきただけではない。住民と積極的に議論し、説得に努めてきた。最も大切なのは非公式な議論である」


フランスでは、原発のある各地方に、政府機関、電力会社、中央・地方の政治家、環境保護団体、労組、経済界などの代表で構成する「地方情報委員会」(CLI)が設けられているが、2006年に制定された「原子力の安全性および、その透明性に関する法律」によって、これに法的地位が付与された。

したがって、今日、CLIは原発の安全性について、かなりの範囲で独自の決定ができるわけだが、レスコア氏は「CLIは原発への信頼性を増す上で大きな役割を果たしている。電力会社としても歓迎する」と述べている。

フィンランドとフランスが高放射性廃棄物の最終処理場の建設について、積極的に動き出していることも、原発の安全度を高めるのに役立っている。フィンランドの原発2社はすでに建設に着工し、フランスも建設地をパリの東約60kmのビュールに決定した。

また、両国は廃棄物量を減らすとともに、放射性レベルが下がる時間を短くする技術を開発することで、「高放射性廃棄物を永久貯蔵する必要はなくなる」と、処理場周辺の住民に安心感を与えようとしている。

こう見てくると、原子力発電に対する信頼性を高めるための政府と電力会社の努力には、過去、現在とも、日本とEU各国の間に大きな差があることが分かるだろう。
(早房長治)

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