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08洞爺湖サミット・カギ握る日本

 洞爺湖への道 -欧州の視点から 6 
福田首相、サミットでのリーダーシップは放棄したのですか

福田首相は、2050年の長期目標でも、2020年ごろまでの中期目標においても、数値目標を示すのは不可能だという判断に傾いているようである。長期目標については、国際的に合意が形成されつつある60~80%削減案にブッシュ政権が反対している。中期目標については、欧州連合(EU)は明示しているが、米国だけでなく、日本も提示に消極的である。日本経団連を中心とする産業界が中期目標の今年中の提示に強く反対しているためで、首相は産業界に引きずられているのだ。

産業界は、このほか、独特の解釈によるセクター別アプローチ(業種別積み上げ方式)を主張し、キャップ(国別や企業別の排出量に上限を設定)・アンド・トレード(排出権取引)方式の採用に反対している。これらの点でも、首相は依然として産業界を押し切れないままである。

首相は、日本の中期目標は来年示すという意向を示しているが、これは「後出しジャンケン」と見られても仕方ないやり方で、先進国、開発途上国の両方から「日本はエゴイステイックだ」という批判が出始めている。その上、日本は基準年を1990年から2005年にずらそうとしており、これも各国の「日本エゴイステイック論」を強めることになるだろう。

ところで、国内のいろいろな団体やシンクタンクから洞爺湖サミットを巡って様々な提言が出されている。その中で、異色を放っているのが「平和と安全を考えるエコノミストの会」(理事長=河合正弘・アジア開銀研究所長)の「日中協力で脱炭素社会の実現を」と題する提言である。「日中両国はアジアの立場の違う大国として、協力して地球温暖化防止に貢献すべきだ」という、独特な主張を展開している。

具体的には、「中国が掲げている省エネ目標は低過ぎる。2020年までに00年比で50%以上の省エネを目指すとともに、一人当たりGDPが先進国並みの水準に接近する2020年代中には、CO2の排出量の総量目標を設けて、規制を行う旨、約束するのが望ましい」とし、それを可能にするために、日本が技術、資金の両面で強力に支援することが必要であると述べている。また、中国、インドなどの新興国を説得するためには、「先進国、とりわけ日本が思い切った中期目標を早期に提示することが不可欠である」と強調している。

福田さん、今、貴方に必要なのは、サミットにおける説得力ある思い切った提案です。それによって、米国や新興国を巻き込むことが可能になります。貴方にとって、リーダーシップが求められているのは、国内政治も同じでしょう。
(早房長治)

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